昨日7日(月)には、今度はホルヘ・ボルピがセルバンテス文化センターで講演するというので、行ってきた。
セルバンテス文化センターは読書会Club de lectura を定期的に開いていて、ボルピが来るというので、彼の作品を読んだらしい。その参加者向けに特別回で講演前の30分ほど、著者に直接質問のコーナーがあった。僕は読書会には参加していないのだけど、なぜか最初からその時点からの参加者ということになっていた。
4月からの学期で『クリングゾールをさがして』を読む予定なので、何か参加者たちへのコメントをとお願いしたら、色々と話してくれた。本当は科学者になりたかったし、もっと最近の科学に関する小説にするつもりだったんだ、とか、メキシコのことは一切書いてないけれども、常にメキシコを意識していたんだ、などと。
ガルシア=マルケスに関しても、一般的にはガルシア=マルケス嫌いだと思われがちだが、そうではなくて、ラテンアメリカ文学というとガルシア=マルケスに、あるいは彼の『百年の孤独』に集約するかのような思い込みに抗しているのだ、との言葉も納得。
第二部は『クリングゾールをさがして』を最初から高く評価している中森明夫が、この小説の優れた点を述べ、補足するように安藤哲行が『狂気の終焉』(安藤さんは「終わり」と言ったかも)や『地球にはあらず』(安藤さんは「ではない」と言ったかも)などの話もしながらボルピの構想力を讃えた。
過去二度、直前で来日がキャンセルされたので危惧していたのだが、今回は叶ってよかった。当初僕が抱いていた偏見に反し、気さくな人だった。