昨日はTwitter文学賞の結果発表の日だった。
ツイッターのユーザーのツイッターを通じての投票による賞だ。ツイッターのアカウントを持っていれば誰でも投票できるが、ただし、ひとり1票だけ。国内部門と海外部門がある。
これが始まったのが2010年で、2011年3月に最初の発表があった。2010年には僕は松本健二との共訳でボラーニョ『野生の探偵たち』を出している。これが第5位に入ったのは嬉しいことだった。
翌年はカルロス・バルマセーダ『ブエノスアイレス食堂』が、そしてさらに翌々年にはセサル・アイラ『わたしの物語』が、それぞれ海外部門トップ10に入った。嬉しいことだ。
その後、2年間、僕には文学作品の翻訳の単行本がなかった。久しぶりに2015年には2冊出した。エドゥアルド・メンドサ『グルブ消息不明』とセサル・アイラ『文学会議』。この2冊が今回、いずれも、またトップ10に入った。『グルブ消息不明』が9位に。そして『文学会議』が5位に。
素晴らしい。得票数にしてみればわずかなものだし(それぞれ12と19)、読者に占めるツイッターのユーザーがどれほどのものかも不明なので、これをして世界全体の反映とみることはすまいが、それでも、イシグロを、ウエルベックを抑えてアイラが5位に入るなど、画期的なことだと思う(僕自身はウエルベック『服従』に投票したのだった)。苦労が報われた思いだ。