試写に呼んでいただいたのだ。
離婚して妻のもとにいる息子セルヒオ(ガブリエル・デルガード/ただし、字幕ではセルジオ。あれだけはっきりみんなセルヒオと発音しているのに)への面会日に、彼を連れて貴金属店強盗に押し入ったホセ(ウーゴ・シルバ)は、行きずりの強盗仲間アントニオ(マリオ・カサス)らとともにフランスに逃亡しようとする。国境近くの町、バスク地方のスガラムルディを通るが、そこは中世の魔女裁判で有名なところで、魔女たちは今も生きつづけていて、彼女たちに捕まってしまい……
思うに映画は秘密結社の儀式(集団的狂気、松明、生け贄……)とそれを天井から覗き見る、そしてそこに割って入って攪乱するヒーローというのをたくさん描いてきた。今、デ・ラ・イグレシアは、その秘密結社を魔女たちの集団として、そこに人食いやら(場合によってはゾンビやら)のモチーフまで詰め込み、とことん再利用して、いかにも彼らしい破滅的な物語に仕上げておかしい。
何しろ魔女が扱われるのだ。最初からそれをつくり出す男性中心主義が揶揄されていて愉快だ。結末(つまり、誰が死に、誰が生き残るか)に不満を抱く者もいるかもしれないが(なんだ、結局愛が地球を救うのか、と)、魔女はまたゾンビでもあるのだ……と書いたらバレてしまいそうだが……
ともかく、魔女たちの儀式のクライマックスが面白い。おかしい。伏線は貼られていたはずなのに、びっくりする。『ゴースト・バスターズ』のような衝撃だ。笑撃だ。
……さすがだ。