2011年10月9日日曜日

断末魔のさんま


心の準備も体の準備も教材の準備もできていないのに授業が始まったものだから、何かとせわしなく、ブログを持っていたことなど忘れかけていた。

実際には第1週に本格的に授業が始まることはないので、忙しいというわけでもない。心が落ち着かないのだ。学生たちもいい加減、久しぶりなものだからそわそわとして、授業が終わったら食事に行ったりしている。さんまだ。箸の餌食になるさんま。

そして土日は日本イスパニヤ学会第57回大会。前日、あまりにもさんまがおいしかったものだから、この日もさんまを食した。写真のさんまは初日のそれ。

学会ではすぐれた発表があり、そうでない発表もあり、面白い発表があり、そうでもない発表があり……

勘違いされがちなのだけれども、われわれの仕事というのは、ひたすらに先行するテクストを読むことから成り立っている。先行するテクストというのは、対象に対する研究であったり、それに適用可能な理論の書であったりするだろうが、ともかく、先行するものだ。先行するテクストは読んでも読んでも尽きない。他の研究対象に対するテクストがぼくらの研究にとってもそうなり得るかもしれないから、少しくらい対象が違っても、ぼくたちは人の話を拝聴する。新たなテクストとの出会いを求めているのだ。

そういう新たなテクストとの出会いの得られない発表を、「そうでもない発表」という。つまり、すぐれてもいない、面白くもない発表。そういうものもあった、ということ。もちろん、新たなテクストとの出会いの得られた発表もあった。