2010年5月17日月曜日

心のつかえがとれた

 先日ご報告した、机のキャビネットの引き出し。上の引き出しが簡単にレールから外れない仕組みになっているから苦労していたのだが、下から揺すっているうちに、つっかえていたものの位置がずれ、開くようになった。心のつかえが取れた気分。机のつかえも取れた。


 土曜日には大学で仕事のあと、夕方、前日の書き込みに書いた伊集田實も修行していた前進座の前進座劇場に。別に劇を観に行ったのではない。知り合いの習い事の発表会みたいな興業。でも充分楽しかった。

 ところで、その伊集田實、犬田布騒動の話を最初に聞いたのは那須でのことだというから面白い。「書架をひっくりかえす。昇曙夢の『大奄美史』には、「犬田布の騒動」とわずかに数行。その時、那須の林間講座の「砂糖一揆」の言葉がよみがえってきた。/あれやこれ、創作興奮は極度にたかまり、劇場前の"熱風座"の事務所に、上演予告。/『犬田布騒動』と大きく掲げた」(『犬田布騒動記』海風社、197)。

 その「那須の林間講座」というのが、1944年のこと、もともとフランス古典劇の話があるということで聴きに行ったら、急遽、演題、演者が変更になり、土屋喬雄「九州の一揆」という話になって、そこで出た話題であったらしい(同176)。徴兵されて戦場に行く直前の話とのこと。

 ちなみに、昇曙夢とはロシア文学者。山口昌夫の『「挫折」の昭和史』か『「敗者」の精神史』に1度だけ名を挙げられていたように思ったが、今、索引を見てみたら、出ていない! どこに失われてしまったのだろう? 今のぼくたちの学長はこの昇の直径の孫弟子とはいわないが、その兄弟弟子くらいにはあたるはずだけどな。

 昇の『大奄美史』は昭和24年12月25日発行。この4年後の同じくクリスマスの日、奄美群島は日本本土復帰。クリスマスプレゼントだ。