2010年3月17日水曜日

眠りながら読む

昨夜、眠りながら読んだのが、

スティーグ・ビョークマン編著『ウディ オン アレン――全自作を語る』大森さわこ訳(キネマ旬報社、1995)

編著者によるシネアストへのロング・インタビューだ。ここでインタビュアーのビョークマンが『セプテンバー』(1987)のことを、アレンの「最高傑作の一本だと思います」(208)と述べていたことに不思議と感動してしまった。アレン自身はもっとも納得が行っているのは『カイロの紫のバラ』(1985)だと。

ぼくはやはりウディ・アレンの映画といえば『カメレオンマン』(1983)にとどめを刺すと思っているし、その次に優れているのは『カイロの紫のバラ』だとは思う。でもぼくがウディ・アレンに興味を持ち始めたのは『インテリア』(1978)からで、この作品や『セプテンバー』にも深い愛着を抱いている。いずれも母と娘の裏エディプス的(?)関係を扱ったものだけど、そのテーマが問題なのではなく、作品の持つ雰囲気として、この2作はいい。ひょっとしてアレンはこの問題を扱うときにもっともスタイリッシュになるのではないだろうか。『インテリア』の最後、姉妹が斜めに並んで窓の外を眺めるカットなんて、ぞくぞくするのだけどな。

そんなことを考えていると眠れなくなった。今日は寝不足だ。でも会議日だ。