何か忘れていると思ったら、ずいぶん長いことブログの更新を怠っていたのだ。
昨日、21日(金)パルコ劇場に観に行ったのは:
ピーター・シェーファー作ウィル・タケット演出『ピサロ』渡辺謙、宮沢氷魚ほか出演。伊丹十三翻訳。
実は、去年の新生パルコ劇場オープニング・シリーズの演目だった。僕は予約していたのだが、コロナ禍で取りやめになり(最初の10回だけは上演したらしいが)、予約を不意にしてしまった恨みのある作品(もちろん払い戻しは受けたけど)。今回もヒヤヒヤであったが、どうにか予定どおり上演されたので、良かった良かった。
タイトルからわかるように、フランシスコ・ピサロを扱った作品。彼のインカ帝国征服の記録を基に、架空の記録係――後に通訳にもなる――マルティン(大鶴佐助/外山誠二)を立て、年老いた彼が若き日の従軍を回想するという形式。ピサロのインカ征服は彼の3回目の南の海航海の際になされるのだが、劇はその第3回航海のために国王からの金の調達を終え、兵士を集めるところから始まる。アルマグロのような厄介なライバル関係にある将校たちは、やはり架空の人物幾人かに集約させながらも、彼らとのやりとりでピサロの困難な立場を説明する。
二幕構成で第二幕はそんなピサロとアタワルパの世界観の衝突が主題となる。自身親を知らずに育ち、スペイン社会で疎外を感じている(からこそ征服/冒険に乗り出し得た)ピサロは庶子の子であり兄ワスカルを殺した(アベルとカイン)アタワルパが、それでも自身を太陽の子として、神として正当の王として自認し、矜恃を保っていられることに動揺し、気圧されてさえいる。原題は The Royal Hunt of the Sun 。何だろう? 『太陽の王様狩り』とでもすべき?
『ピサロ』はパルコ劇場が西武劇場から名を変えた直後の1985年、テレンス・ナップの演出で日本初演されている。僕はその85年のやつも観た。今回ピサロを演じた渡辺謙がアタワルパを演じ、とても印象的だった。僕はそれで彼を認識したはずだ。ちなみにピサロは山崎努。舞台美術は朝倉摂。うーん、感慨深い。長生きはするものだ。
その前日はベン・アンソニー『キース・ヘリング――ストリート・アート・ボーイ』(イギリス、2020)を観た。死後30年目の作品ということになる。ブラック・カルチャーとの近親性やシンパシー、ドラッグなしではキースは語れないことなど示唆に富む証言が多かったのではないか。
実は、少し前にTVを買い換えた。横幅が数センチ長くなり、縦はむしろ短くなったのに、縁が小さくなったので画面サイズは大きくなった。32インチだ。これでバンバン映画を観るのだ。今映っているのは大相撲だけど。
今朝、サーバーを割ってしまった。洗っているときに手を滑らせて落としてしまったのだ。
最近はネルドリッパーで入れることが多い(ペーパーフィルター用のドリッパーに使えるネルのフィルターを手に入れ、上手くいったので、思い立ち、普通のネルフィルターもドリッパーで使ってみたら、当然のことながら上手くいった)のでネルドリッパー用の首のついたやつだとか、いろいろなタイプのサーバーの間で逡巡したのだが、結局、これ。
何の変哲もないカリタのいちばん一般的、いちばん安価、いちばん小さいサーバーにした。