2014年12月4日木曜日

シェイクスピアの偉大さについて

上野に行く用があったので、そこから歩いて大学に向かった。湯島天神の横に出るのに、なんと言っただろう? 不忍池の南端から一本入った、いわばいかがわしい通りを抜けた。呼び込みのあんちゃんたちがすり寄ってくるのをかわしながら歩くぼくの目に飛び込んできたのが、水着の女の子がふたりでこちらを見ている立て看板。書いてある屋号は:

Shakespeare
シェークスピア

参ったな。立ち止まってまじまじと確認しちまったよ。

これはいわゆるキャバクラだろうか? それとももっと違う範疇の店か? あるいは射精産業なのか? 店名に心奪われて、そのカテゴリーの見極めができなかった(そもそもそれが明記してあったのかも定かではない)。

カテゴリーがどうであれ、人見知りの対人恐怖症気味なぼくとしては、そんな見ず知らずの女性のいる店にさして興味はないのだが、でも、どうしよう、グローブ座みたいな内装の店で、壁には、

To be or not to be.

とか、

It is the cause. Yet I'll not shed her blood,
Not scar that whiter skin of hers than snow.
And smooth as monumental alabaster.

なんて貼り紙(?)がしてあったら……

ぼくにはこんなお店やこんなお店で働く人の清廉さを問題にする気もないし、そういう立場にもないが、シェイクスピア(ぼくはこの表記でいく)という名がこういう店でも何らかの力(わいせつ? エロス? 淫靡?)を持ちうるのだという事実に、なんだか素直に感心してしまった。

シェイクスビアは偉大だ。


(カメラをバッグに忍ばせていたはずなのに、写真を撮るのを忘れたことだけが悔やまれる。代わりに、今日送られてきた投票所入場整理券の写真を添えておこう……代わりになるのか?)