2009年12月9日水曜日

打ち止め!

指定された締め切りにはまだ一週間あったが、授業と会議のあいまに仕上げて送付したのが、「愉悦の小説案内」の原稿。第12回、連載最終回だ。最終回はぼくの人生を変えたのかもしれない1冊。

わずか見開き2ページ、400字詰めに換算して5、6枚。たった12回の連載だけど、連載ってそれだけでなんだか神経を使うのだと実感。週刊誌や日刊紙に連載する人ってすごいなと思う。

フエンテスは出しそびれたなとか、ハビエル・マリーアスだって扱いたかったな、せっかくだからリャマサーレスだって、……などという思いもあるが、まあしかたがない。当初、色々と計画していたけれども、現実には書けそうなものから順番に書いていったという感じか? ただ最終回の題材だけは決めて。現在読まれている小説(読まれているなら古典でもかまわない)、必ず1カ所原文(とその訳)を引用・紹介する、というのが条件だった。ぼくはそこに邦訳の存在するものという第3の条件を自分自身で課して書いた。

1カ所原文を引用というのが、何よりも頭を痛めたところ。ちなみに、以前からほのめかしている映画の仕事も、必ずセリフを1カ所引用するというもの。そういう体裁ってわりと好きだが、書く方としては悩む。2カ所も3カ所もというなら、何も問題ないのだが。

担当の方からの折り返しの報告に、単行本化しないのかとの問い合わせもあったが云々と書いてあった。本当のことかリップサービスかは知らない。いずれにしろ、お調子者のぼくとしてはそんな言葉にはニンマリしてしまう。ただし、1項目につき2ページのものを単行本にしようとしたら50、60、あるいは100項目ほども書かねばならない。ちょっときつい話。

さ、その「映画の仕事」もやらなきゃね。これは35回。