2009年4月27日月曜日

人生を語る映画を語る困難

ちょっと前に書いたような課題で卒論の学生がそれについて書いてきたことだし、法政のゼミにも関係してくるので、久しぶりにグレゴリー・ナバ『セレナ』ジェニファー・ロペス、エドワード・ジェイムス・オルモス他(1997)なんてのを見てみた。DVDはワーナーから。

テキサスのメキシコ系住民の生み出したクレオール的音楽テハーノのスターになりながら、ファンクラブ会長に銃殺されたセレーナ・キンタニーリャの話。コッポラの製作総指揮という売り込みでその2年前に公開された『ミ・ファミリア』に続いてナバがJ.Loを今度は主役に据え、『ズート・スーツ』のオルモスを父親役に配して撮ったフィルム。

こうした実在の人物の伝記物をどう論じるかは難しいところ。映画として楽しめればそれでいいとは思うのだが、……情報を求めてウェブ上をさまよっていたら、なんだか典型的なだめだめ評に出くわしてしまい、こうした伝記物をどう論じるかは本当に本当に難しいのだなとの思いを新たにして昨夜は明けた。

下手なドラマティズムに頼って銃殺のシーンを事細かに描写していないところなどは良い点。決定的瞬間を知り得ないところが現実のもどかしさなのだ。