2022年12月20日火曜日

また間が開いてしまったのだ

12月16日(金)には大原とき緒監督・主演の短編映画 Bird Woman を観に行ったのだ。シネマ・チュプキ・タバタで。


僕はこれの制作ためのクラウド・ファンディングにも参加したのでオンラインで見ることもできたのだが、小さいながらもスクリーンで、アフタートークつきで見られるし、田端は比較的近い(歩いて行けるし、実際、歩いて行った)ので、出かけていったのだ。


通勤電車での痴漢に悩まされている女性とき(大原)が友人のアーティストの作った鳥のマスクをかぶり、「バードウーマン」を名乗って電車内の痴漢を撃退、女たちの共感を得ていくという20分ほどの話。


最初に着替える(変身する)場所が都内に2箇所ほどあるらしい透明のトイレ(鍵をかけると壁が白濁して中が見えなくなる)であるところが、僕が気に入った点のひとつ。スーパーマンが電話ボックスで変身することの向こうを張っているのだ。


翌17日(土)、立教の授業後、受講生の方からその存在を教えていただき、昼は他の用があったので、それが早めに終わったからソワレには間に合ったので観に行ったのが、


神里雄大作・演出、『イミグレ怪談』岡崎藝術座東京公演@東京芸術劇場シアターイースト。上門みき、大村わたる、ビアトリス・サノ、松井周出演。


英語、スペイン語字幕つきの劇は、そのスペイン語のタイトルをHistorias de fantasmas inmigrantes という。3人の移民幽霊たちの話だ。


戯曲の段階では登場人物たちは番号で示され、それぞれ一人称はeu、二人称はvoce とポルトガル語で書かれている。さすがだ。ただし、上演にあたっては名前は「それぞれの俳優の名で演じられる」し、人称代名詞は「普段使うもの/使いたいもの」を使うとの指示である。実際、松井周は松井周を名乗っている。


沖縄とブラジル及びボリビアの移民に加え、ラオスへの移民を扱い、神里のふたつのルーツに第3極が加わったというところだろうか。そのラオスがヴェトナム戦争の影をいまだに引き摺っていることが語られ、「似たような話」を抱える沖縄と繋がる。