2015年7月11日土曜日

またしてもまとめての事後報告

7月2(木)日のセルバンテス文化センターでのお話「翻訳は難しい」は無事、済んだ。翻訳が文学に深くかかわっていること、その意味でスペイン語は非常に重要な言語であること、かつスペイン語の場合は言語内翻訳という、あまり大きく取りざたされない問題が重要になってくること、などを話し、その実例として自分がかかわったセサル・アイラの作品のことなどを紹介した。

翌週、8日(水)には若尾文子映画祭青春で『安珍と清姫』を見てきた。雷蔵との黄金コンビだ。「娘道成寺」の話だが、それをギリシヤ悲劇風(コロスの介入や「あやかしに憑かれている」という予言など)に味つけ、かつ、苦悩する安珍(市川雷蔵)の煩悶と入浴、負けず嫌いの清姫(若尾文子)の身のこなしと入浴などでやおい顔負けのサービス。あるいはこれがメロドラマの真骨頂か、という一本なのだ。

9日(木)には、届いた! エドゥアルド・メンドサ『グルブ消息不明』(東宣出版)。早速、→に書影を載せて紹介したのだ。

そしてやがてチリに留学に旅立つ学生を送りだすべく、五反田アルコ・イリスでペルー料理。

10(金)には現代文芸論全員で担当している授業の最終回企画として沼野充義さんとマイケル・エメリックとの対談。光文社で出ている沼野さんの対談集『世界は文学でできている』シリーズ4作目に収められることになっている。源氏物語との出会い、川上弘美『真鶴』の翻訳のことなど、あまりにも流暢すぎる日本語で語ったエメリック氏であった。


彼が『英語で読む村上春樹』に連載している「UCLAでハルキ・ムラカミを読む」は面白いのだ。そのことについての質問をしたのだった。