ともかく、引っ越したのだ。
久しぶりの都区内。とは言え環八の外側なので、もうぎりぎり郊外と言っていいだろう。これまでより狭い部屋だ。
狭い部屋でいいと思ったのだ。むしろ狭い部屋の方がぼくには向いていると。で、15平方メートルばかりも狭いところにした。
そのために多くのものを捨てた。断捨離、などという語がひところはやったが、まあ、それだ。そういえばTEDでも誰かがそんな感じのことを主張していた。本はPDFに、音楽や映像はデジタル化して、捨ててしまえ、と。そうすれば40数平米(だったか?)のところで充分住める、と。
そういった提案にほだされたわけではないが、ええ、断って捨てて離して、荷物半分くらいになって、住んでいますとも、40ちょっと。
でも部屋の形やサイズが変わることによって、どうしてもそこに合わせるために買い換えなければならない家具などもあって、ため息がでるばかりだ。
一方、引っ越しにかまけている間に、仕事上ではさまざまな問題が積み上がっていて、だいぶ飽和状態に近づいている。
やれやれ。
……そういえば今度、ぼくに「やれやれ」という表現を吹き込んだ人物についての仕事もするのだった。
そして、仕事と言えば、4月からNHKの「テレビでスペイン語」テキストに連載が始まる。「恋愛小説を読む」。ホルヘ・イサークス『マリーア』(1867)の訳と解説だ。